新型コロナに対する政府の対応については、「遅きに失する」とか「対応が不十分」だとかの批判があるが、ここでは「緊張感」とか「自己責任」「自業自得」論について考えてみたい。
というのも外出自粛などの呼びかけにも人出が減少しないことに「緊張感が足りない」という批判があるが、足りないのは「緊張感」ではなく「加害者感」ではなかろうかと思うからである。
いくら注意しても感染が防ぐことが困難なことはある。なぜならマスクも、消毒も完璧ではないからだ。それでも「必要」を満たすために外出しなければならない場合もあるし、直接接触が必要な医療、介護といった職業もある。
だから、感染したことだけで「自業自得」とか「自己責任」といった非難や誹謗中傷は誤りである。
でも、感染者が感染とわかっているのに敢えて外出したり、濃厚接触者として認められたものが調査を拒否したり、虚偽の申告をしたりすることは、上記と異なる。これらの行為は「加害行為」であり、感染経路が明確であれば、不法行為責任も負担すべき、非難されるべき行為だ。
過失の場合は難しいと思うが、少なくとも故意の場合は、明確に非難されるべきだ。
このような場合に自由は保障されないことは明白だし、同様に加害行為に場所を提供する自由も保障されるべきではない。例えが少し極端だが、わかりやすく言えば、賭博することに自由は保障されないし、そのための場所を提供することも許されないのである。
本日、感染した夫の濃厚接触者としての妻が、娘に感染させたのではないかというメモを残して自殺したという報道があった。
家庭内の感染をどう考えるべきか？
直接接触を必要とする職業として医療や介護従事者を掲げたが、これと同じで感染拡大を非難するに値しないものと考える。なぜなら直接接触がなければ家庭が成り立たないからだ。
それにしても残念な出来事である。
感染症は家庭に持ち込ませないのが、肝要だと政治家は肝に銘じてほしい。そのためにも全国民のPCR検査が必須だと思うが。