実態は異なる(復興五輪には程遠い東京オリンピック・パラリンピック)

投稿者: | 2月 11, 2023

1.東京オリンピック・パラリンピックの意義

森喜朗組織委員会会長は、改めて「復興五輪の意義」を強調したと伝えられている。

http://www.news24.jp/articles/2019/01/05/07413434.htmlより引用

大いに賛成である。組織委員会が発行している東京2020大会ガイドブック(以下単に「ガイドブック」と称する。)にもその趣旨が掲載されている。

 https://tokyo2020.org/jp/games/plan/data/tokyo2020-guidebook-ja.pdfより

2011年に始まった東京2020大会の招致活動では、スポーツの力が東日本大震災の被災地に夢と希望をもたらすことを訴えました。

しかし、実態は、森会長が主張するものとは異なっているのではないか?

2.東日本大震災と東京オリンピック・パラリンピック

以下、直接の被害を受けた東北三県(北から岩手、宮城、福島)と東京オリンピック・パラリンピックとの関連を検証する

(1)大会開催基本計画(現時点で2015年2月板) 

https://tokyo2020.org/jp/games/plan/data/GFP-JP.pdf

基本計画が確定されてから既に4年近く立つが、基本計画は更新されていない。「基本」だからこんなものか?次のガイドブックで具体化されているという位置づけなのであろう。

(2)ガイドブック

これを見ると、被災3県に関するものは、

■大会会場

  • 野球・ソフトボール(福島)
  • サッカー(宮城)
  • 岩手での開催はない。(前年にラグビー・ワールドカップの会場となっているので、それで終わりということか?)

■聖火リレー

  • ギリシャから引き継がれた聖火は、宮城県の航空自衛隊松島基地に到着、被災3県で順次「復興の火」として展示
  • 3月26日福島県からスタート

■その他

  • ライブサイト
  • 事前キャンプ
  • 文化プログラムが掲載されているが、内容は不明。単なる観光案内に聞こえるが?

 主だったものは以上のとおりであるが、果たして「復興五輪」にふさわしというべきか?むしろ「復興五輪」を名目に誘致活動を成功させた割には、地味な内容ではないか?付録的な取り扱いのように思えてならない。

 (3)マスコミの報道

開催まで1年余。まだまだ具体化していないものがあるが、それにしても「復興五輪」にふさわしい報道がなされていない。「スポーツの力で被災地に元気と感動を届けます。そして、様々な困難を乗り越え、復興へと歩む被災地の姿を世界に発信し、支援していただいた人々に感謝を伝えています。」(ガイドブックより)とした観点からの報道のあり方を再考すべきときではないでしょうか。

 4.結論

開催都市が東京だからこそ、「東京2020大会」という名称となり、東京が中心になるのは当然だが、それであれば誘致活動に復興五輪を使うべきではない。反対に復興五輪を使用した以上、それにふさわしいオリンピック開催のあり方がもっと検討されるべきだ。現時点ではお粗末にも復興五輪にふさわしいとは評価できないし、招致活動の中身を信じた世界の人々に失礼だと思われる。

実態は異なる(復興五輪には程遠い東京オリンピック・パラリンピック)」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 日本の独りよがり・・「籠の鳥」東京オリパラ – 辛口.Net

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