この記事は以前書いたものですが、データを消失してしまい記憶に基づいて復元しました。したがって以前の記事と同趣旨ですが、一字一句同じものではありませんので、この点をお含みおきください。
N国の主張
NHKの受信料支払い義務をめぐり、「NHKから国民を守る党」(以下単に「N国」と称する。)党首である立花氏は、受信料を払ったものだけが番組を見られるようにするスクランブル化を主張し、先の参議院選挙で議席を得た。しかし、マスメディアの機能を考えると、見たいものだけが見れば良いといった単純な発想だけでは日本国憲法の保障する「国民主権」を侵害するものになりかねないからだ。
マスメディアの重要性そしてその責任
現在、マスメディアは、国民の知る権利を保障する重要な機能を果たしていることは誰しも否定できないと思われる。 日本国憲法の基礎知識 -憲法の試験対策などにも-
インターネットが発達したものの、まだまだ万人が手軽に情報を入手する手段としての位置づけは変わっていない。スイッチポンで情報が入るからだ。
また、インターネットの世界が検索を中心とした情報の選択として発達しているが、これでは「嫌いな情報」「不都合な真実」には目を向けないで済む。しかし情報の選択権という国民の持つ権利とは別に、「嫌いな情報」「不都合な真実」を目を向けざるを得ない状況こそ、主権を有する国民の知る権利を保障することになる。
加えて、最終的にマスメディアの報道内容も国民の批判にさらされるべき。それが国民の「知る権利」を担保する制度的仕組みになる。スクランブル化は報道内容を国民の監視する目から遠ざける手段となってしまう。
課題はインターネットも
もとより、受信料制度が受信契約を強制するような説明で本当に納得できるかと言われると大変問題が残る。むしろ、政府は広く国民に政策を知らせる義務があるのであるから、誰しもが払っている税金で賄われて然るべきではないかとも思われる。一案であるが・・・
またマスメディアには、それだけの重責を有していることが前提となることは論をまたない。インターネットも同様である。
最近、NHKが報道したニュースの中で「オリンピック反対」の声を消去したことの是非が話題に上がっている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041900125&g=soc
そのことの是非は別の機会に譲るとして、N国の主張するスクランブルという手法が如何に非民主的か(国民の監視下になくなる危険が高い。)が理解されるのではないか。