IWC脱退に感じる「いつか来た道」

投稿者: | 4月 30, 2019

1.IWC脱退問題の現状

国際捕鯨委員会(IWC) は、1951年に日本も加入した国際捕鯨取締条約に基づき設立された国際機関。

日本は、この国際機関を脱退しようとの方針を固め、年内にもその方針を表明するとマスコミに報道された(一例として12月20日付読売新聞)。理由は、マスコミ報道によれば「調査捕鯨によって得られた科学的データ」で「生息数が回復しているクジラ種の商業捕鯨の再開」が認められないからだという。

2.IWC脱退に感じる「いつか来た道」

どんな世界でも、あるいはどんな国でも思いが通らないことはある。その場合に、自国の希望が通らないから「脱退」という結論は、短絡すぎる。

そもそも「科学的データ」で「生息数が回復している」から商業捕鯨を再開すべきだとする日本の主張には無理があると思われる。時代が進展して、以前は許された行為も許されなくなることは大いにあり得る。セクハラ問題、LGBT問題、ワシントン条約などなど。また害獣と言われているものすら殺傷が禁止されている時代なのだ。

そんな状況にあるにもかかわらず、自分たちの思いが許されるべきだとするのは思い上がり、独りよがりに他ならない。こんなときに求められるのは、冷静に、どこまでも相手を説得することだ。それでも説得できなければ、政策を変更すべきなのだ。

それも放棄して、脱退を選択したのだ。

憲法が禁止する「自国の自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」(「日本国憲法前文」より)ことをやってのけたのだ。

かつて日本は、国際連盟を脱退した。1993年3月のことである。

安倍政権は、「いつか来た道」を歩み始めた。

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