1.ロシアによるウクライナ侵攻に驚いたが
この21世紀に正面切って他国を侵略するとは・・・と驚いたが、イスラエルのネタニヤフ首相もロシアのプーチン大統領に「勝るとも劣らず」ではないか?
2.ネタニヤフ首相の「ハマスの殲滅」発言
ネタニヤフ首相は、11月27日「ハマスを殲滅させるべきだ」と主張している。加えて、同氏のホロコースト・発言には「内外で非難」やイスラエル首相がホロコーストは「パレスチナ人のせい」ドイツ首相は「いや我々の責任」と報道されています。
ハマスがパレスチナ民族の一部ではあり、仮にイスラエル人を人質にとった卑劣な犯罪者であっても裁判を経て処罰するというのが現代の国際常識だ。ネタニヤフ首相に「殲滅」する権限は認められておらず、そうであればこそウクライナはロシア・プーチン大統領を国際司法裁判所に提訴し、あくまで「裁きを経る手続き」を取ろうとしたのだ。
この手続きを省略した、ネタニヤフ首相の「殲滅」発言こそ、現代のホロコーストではないのかと疑問が出てくる。
3.イスラエルからの人質開放
その後一時停戦(正式には「休戦」と言っている。)が実施され、何回かに分けて双方の人質が開放された。
ここで、「おや」と頭をかしげた。
イスラエル人の人質を開放するためだということは理解できたが、イスラエルに捉えられているパレスチナ人もいたんだ、イスラエルも人質をとっていたのだということを。
この人質となっていたパレスチナ人は「投石や扇動、殺人未遂などさまざまな罪に問われたパレスチナ人300人のリスト(イスラエルが作成)から選ばれた。そのうち有罪判決を受けたのは4分の1以下で、大半は裁判を前に勾留されていたとされる」人々だそうだ。
だとすると、イスラエルという国は裁判を省略して人々を勾留する「非民主的国家だ」ということになる。
そう考えると、前述のネタニヤフ首相の「殲滅」発言も、このお国柄から出た発言ではないかと、妙に合点がいく。
また、今回のハマスによる人質犯罪も、自らの民族救出のためのやむを得ない「作戦」だとなると、もはやイスラエルもハマスも「どっちもどっち」ということになってくる。
4.両民族の歴史
ユダヤ民族とアラブ民族の歴史は複雑で、両者間の争いは絶え間なかった。
私にはとても理解できない。でも、これだけははっきりしている。両民族とも「人間である以上この地球上で存在が認められるべきだ」ということだ。これが長い人類の歴史の到達点だ。
だから、どちらかに与することが重要なのではない。むしろ害なのだ。世界は、両者を併存させるための枠組みを、知恵を絞って確立することが必要だし、両民族は併存のために何が必要なのかを考えるべきだ。
報道に携わる方も、この点に留意すべきなのだ。「実効支配」だの「テロリスト」だのと「批判めいた」報道は控えるべきだ。この点で英BBCの報道姿勢は好ましい(ハマスを“テロリスト”と呼ばないイギリスBBC いったいなぜ?)。