4病院再編をめぐる村井発言と行動は一方的な公約解釈と姑息な進め方に映る。医療サービス行政の原点に戻った行動を!

投稿者: | 6月 29, 2024

1.4病院再編をめぐるこれまでの動き

全国市町村会会長に就任したばかりの村井宮城県知事。これで少しは名を馳せたのだろうが、そのお膝下では、勝手な政治的発言が目立つ。

これまでの流れをごくごく簡単に整理してみた。

(1)2021年、突如4病院再変構想を打ち出して、宮城県知事5期目に当選。

仙台医療圏の4病院再編構想は、仙台市とその周辺に立地する4病院を再編・一部は統合し、富谷市と名取市に移転するというものだが、この構想が発表されたのは、2021(令和3年)年9月9日(https://www.pref.miyagi.jp/documents/35013/02honpen.pdf)。

まだろくな議論も始まっていないというのに、勝手に選挙公約にして、その年の11月の知事選に立候補して、当選。一番先に掲げられた公約は「東日本大震災からの復興」で、病院再変更層はサブ的な位置づけに感じられた。

(2)名取市と富谷市が移転候補地をあげ、歓迎する

https://kahoku.news/articles/20211012khn000023.html

(3)仙台市及び各種団体からの反対意見が続出

この構想、特に県精神医療センターの労災病院との統合、富谷市への移転に対して、仙台市及び医療関係者から懸念の声が続出します。

仙台市の郡市長は、構想発表直後の2021年9月市議会で、県の新方針に関し「新型コロナウイルスで医療提供体制が課題の中、突然公表されて非常に驚き、大変遺憾だ」と発言し(https://kahoku.news/articles/20210916khn000002.html

、県への意見書提出、公開討論などを求めていましたが、県知事は、統廃合の当事者との協議を優先した感が拭えません(https://kahoku.news/articles/20221114khn000071.html)。統廃合の当事者さえまとめれば、この問題は解決すると踏んだのかもしれません。

しかし、2022年の夏頃から「反対」や「慎重な進め方」を求める意見が続出してきます。

県精神保健福祉審議会での反対意見に対して「公約」だから「実現できなければ辞任する」とまで発言(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/709735?page=4)。

その他の団体からも相次ぎます(https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/iryou/seisakuiryou_iken.html)。

これらの心配要素に配慮したのか?、県は9月13日、突如として「民間の精神病院を公募」すると、県保険福祉審議会に提示します(https://www.asahi.com/articles/ASR9F777XR9FUNHB007.html)。

その後もこの反対や身長審議を求める声は収まらず、ついには支持母体である「自民党・県民会派」からも「患者や家族から意見を聴き、県民に十分な情報提供をすることや、仙台市と緊密に意見交換をして精神医療や救急医療の機能強化を図ることなど」を求めました(https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20230926/6000025085.html)。

2.ごくごく最近の動き

こうして迎えた先日の宮城県議会議員選挙。結果は、会派として過半数を維持できる見通しだが、自民・公明党は現有議席を守れなかった。明らかに4病院再変構想の是非が争点になりました。

この結果について、村井知事は「政党ではなく会派が重要」「(県民は4病院再編問題だけで候補者を)選んでいないと思う」と発言(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/793290?display=1)。「(私を)止めることができるのは県議会だけだ」とまで言い放っていた(https://www.asahi.com/articles/ASRBH6T7FRB6UNHB00L.html)にもかかわらずだ。

3.問題点

どのような結論になるとしても、「誰しも近くに病院があれば安心」と思う反面、再編には一定の制約がある中でも「すべての県民に等しく医療サービスを提供しなければならない」という要請を、どう満足させていくか、これをきちっと腑に落ちるだけの説明がなされなくてはならないと考える。

この点からすると、村井知事の動き・発言には以下の問題がある。

(1)一方的な公約解釈

自分は「公約」だと言いながら、4病院再編が明らかに装填となった県議会議員選挙で敗れると「(4病院再編問題だけで候補者を)選んでいない」との発言は、明らかに事実と異なる。

村井知事が5選を果たした選挙でも(4病院再編だけで)あなたが選ばれていないからだ。前回の県知事選の時点では、誰もこの問題を議論していなかったはずだ。

加えて、生煮えの問題を突然「公約」にし、賛成か反対かを県民に問うのは、県議会の「代表性」をないがしろにする点も問題だ。

(2)議論の進め方をが姑息だ・・医療行政としての原点に戻るべき。

県議選の投票が終了し、新しい県議のメンバーが決定した翌々日の24日に行政懇談会が開かれ、この病院再編問題が扱われました。

議論の経過は、マスコミが「激論」と評するほど、「やり合い」が伝わってきた(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/795138?display=1)。が、建設的な議論の場であるべき懇談会が、小手先の単なる「やり合い」で残念だ、「仙台を黙らせるには仙台周辺市町村」「選挙の敵は行政懇談会で」とばかりに映った。

「医療行政を等しく提供する責務を負っている」県知事であれば、もう少し度量の大きい、説得力のある言い方、相手に「なるほど」と思わせるやり方を選択すべきではないか。

4病院再編をめぐる村井発言と行動は一方的な公約解釈と姑息な進め方に映る。医療サービス行政の原点に戻った行動を!」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 村井知事は県民と県議会を脅しているのだろうか? – 辛口.Net

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