岸田内閣は、詭弁を弄した戦後最悪の道を歩もうとしているのではないか?

投稿者: | 10月 6, 2024

1.詭弁とは

日本語で日常的に使われる「詭弁」とは、「故意に行われる虚偽の議論」「道理に合わないことを強引に正当化しようとする弁論、論理学で外見・形式をもっともらしく見せかけた虚偽の論法」「実質において論理上虚偽あるいは誤謬でありながら、故意に誤りのある論理展開を用いて、間違った命題を正しいかのように装い、思考の混乱や欺瞞を目的としておこなう謬論」を指す。発言者の「欺く意志」があってこその「詭弁」であり、必ずしも意図的にではなく導かれる誤謬とは区別される。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A9%AD%E5%BC%81

要は「故意の嘘」と言えるのではないか?

この言い換えが正しいか、正しくないかを議論することはさておき、現総理の国会答弁などに認められた「嘘」を考えてみた。

どれだけ説明が丁寧でも、こんなに詭弁を弄しているのは安倍元首相仕込みなのだろうか?

2.詭弁の手口1・・・60年超原発運転を巡って

岸田総理は、原発の60年超運転を可能にする新たな政府方針について、原子力規制委員会の基準に適合したものでなければ、運転出来ない原則は変わっていない」「安全性については期間がどうであっても、原子力規制委員会の基準に適合したものでなければ運転出来ない。この原則は従来から変わっていない」などと答弁している。

原発60年超運転の新方針 岸田総理「原則は変わってない」 立民・枝野前代表は批判「12年前の教訓無視」

2023/02/26追記

上記リンク先が閉鎖されましたので、以下を参考にしてください。

枝野氏「安全神話に戻った」 約2年ぶり質問、原発回帰を追及―衆院予算委

「安全より利用優先」原発運転期間の延長を枝野幸男氏が批判 岸田首相は「安全性大前提は変わらない」

しかし、「60年」という運転規制は現在の人類の英知を集めた耐用年数であり、人類の能力を持ってしても防ぐことのできない「未知の危険を避けるための規定」だ。

少なくとも「安全性」を前提にして議論した年数なのだ。

だから枝野幸男議員(立憲民主党)が「科学的に新しい知見が何かあったんです安全なか」と国会質問したのは、このような意味なのだ。

これに対し、岸田総理は、「安全を前提」とか「原子力規制委員会の基準に適合」と答弁するが、どんなに言い換えて、60年を突破した運転をすることは「未知の領域」に踏み込む対応なのだ。安全な運転年数の180度転換なのだ。

考え方に180度転換があるのに、「安全が前提」と言いかえるだけでは足りないのだ。

どこまでも強弁するのは相手を「言いくるめる」答弁に過ぎないのだ。

3.詭弁の手口2・・・「敵基地攻撃能力」を保有する専守防衛とは!

刑法に「不正急迫の侵害に対し自己または他人の権利を防衛するため止むことを得ざるに出たる行為はこれを罰せず」(刑法第36条第1項)がある。いわゆる正当防衛の規定である。

歴代の政府は、これを念頭に我が国に急迫不正の侵害が行われ、その手段として誘導弾等による攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とはどうしても考えられない。必要最小限の措置をとること、例えば他に手段がないと認められる限り誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれる」と答弁してきている。

敵基地攻撃能力は持てるのか 岸田首相が検討明言 憲法から考えた

当然、そこには「急迫不正の侵害」「他に手段がない」「必要最小限」という、日本を守るための武力行使の条件として政府が挙げていた3要件があった。明らかに「出ていってまで敵を叩く」ことは念頭にない。

しかし、岸田政権の言う「敵基地攻撃能力」(後に「反撃能力」と言い換えているが、どんなに言い換えても本質は変わらないのだろう。)には、明らかにこの範囲を逸脱している。

岸田首相が「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換え 衆院予算委で答弁、説明なしに既成事実化

「具体的な事態を示すのは安全保障上、考えられない」と拒んでいるので、具体的な対応をどのような対応を取るのか不明だが、

仮にX国が我が国の防衛施設を狙ってミサイルを2発発射ししたら、迎撃のため戦闘機やミサイルを我が国が発射するだけでなく、3発目を発射しないうちに、日本はさらにX国の基地を叩くミサイルを発射するということになるのだろう。いや、X国が準備したら、発射される前にも攻撃してしまうのかも。

なぜなら我が国の領空に侵入したミサイルを撃ち落とすだけであれば、従来の専守防衛の範囲であり、新たな「反撃能力」とは言えないからだ。

そしてそれを「先制攻撃にならない」と言っているように聞こえる。

確かに「先制」ではないかもしれないが、明らかに「過剰防衛」(刑法第36条第2項参照)であり、従来の「専守防衛」から「攻撃は最大の防御」という考え方に一歩踏み込んだものというほどの変更なのだ。

だから、総理の言う反撃能力は、従来の専守防衛を180度変更することになるのだ。にもかかわらず、最後まで「専守防衛」だというのはまさに「言いくるめ」の答弁だ。

この変更に対し、以下の懸念を抱くのは当然なのだ。

立民の岡田克也幹事長は記者会見で、首相の答弁に関して「戦闘機が来て日本を攻撃した時でも相手の領域にミサイルを撃ち込めることになると、(敵基地攻撃が可能な事態は)無限に広がりかねない」と懸念を示した。

戦闘機飛来でも敵基地攻撃の可能性 岸田文雄首相が衆院予算委で言及

4.詭弁の手口4・・・姑息なやり方で集める防衛予算

復興特別税は、東日本大震災の夜復興財源お確保を目的として、いわゆる復興特別税制を2013年度から制度化した。その目的は、復興費および償還費用(復興債に限定)とされた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%A9%E8%88%88%E7%89%B9%E5%88%A5%E7%A8%8E

政府・自民党は、不足する防衛予算のために、この復興特別所得税を手を入れ、2037年から14年間延長し、防衛予算を捻出しようとしている(この間1.1%減額するのと引き換えに)。

この流用の理由を、岸田首相は「今の私達の世代で自らの責任としてその身を持って対応すべき」だからとし、「復興に支障を出さない」から許されるが考えているようだ。

しかもどのような防衛をすべきなのかの議論もないままに増税議論だけ先行させたことに加え、税がどのような目的を持って制度化されたのかを無視している。

日本国憲法は、「内閣は、毎会計年度予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を受けなければならない」(第86条第1項)し、「新たな租税を課し、または現行の税を変更するには、法律または法律の定める条件寄ることを必要とする」(憲法第84条)。

だから、政府には、国会が審議できるだけの目的外使用の理由の詳細を示す責任がある。

にもかかわらず、こんな大雑把な説明では議論そのものが成り立たないし、「取れるところから取れ」の議論は税の目的外使用だ。明らかに正面からの議論を避けた姑息なやり方だ。

5.正体見たり「岸田内閣は戦後最悪の道を歩もうとしているのかも?」

こうしてみると、安倍政権を引き継いだ岸田内閣は、誇大なキャッチフレーズを使った大雑把な議論で国会審議を避け、「言いくるめ」て民主主義を実質上機能させなくする、「期弁を弄する内閣」だと言えるのではないか?

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